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東京地方裁判所 昭和29年(行)114号 決定

原告 成毛民也

被告 千葉県知事

主文

本件訴訟を千葉地方裁判所に移送する。

理由

原告は当初当裁判所に対し被告を農林大臣河野一郎として本訴を提起したが、後に被告を千葉県知事柴田等に変更する旨申し立て、右被告の変更の適否につき争いが生じたので、当裁判所は右被告の変更が適法である旨の中間判決をなした。そこで右変更後の被告千葉県知事柴田等に対する本訴の管轄について検討すると、行政庁の違法な処分の取消を求める訴は、被告である行政庁の所在地を管轄する裁判所の専属管轄に属することは、行政事件訴訟特例法第四条の規定するところであるから、農地買収処分の取消を求める本件訴訟は、行政庁としての千葉県知事柴田等の所在地である千葉市を管轄する千葉地方裁判所の管轄に専属し、当裁判所は管轄権を有しないことが明らかである。従つて本訴は同法第一条民事訴訟法第三十条第一項により、千葉地方裁判所に移送すべきものである。

よつて、主文のとおり決定する。

(裁判官 近藤完爾 入山実 大和勇美)

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